南部弁講座
はじめに。
このコーナーでは、基本的に「」で囲んだものを原語<>で囲んだものを
翻訳語として扱っており、赤字は難しい言葉、(全部難しいのですが)
青字は特に難しい言葉を表しています。
| その12で紹介している南部弁 | ||||
| ほねおれる | へっちょはぐ | みっぱわり | いろっぺわり | かっちゃ |
| ののめがす | ぐだめぐ | にしまる | かっつぐ | あんだ |
| 120 あんだ | |
| <あなた>という意味の丁寧語に当たります。 南部弁にも<あなた>という意味の言葉が何種類かあり、 これが一番丁寧な言い回しになるのではないでしょうか。 しかし、この言葉もアクセントや語尾の切り方によって使う人の 思いが概ね伝わってくる言葉なのです。 例 「あんだぇ」<あなたです> 普通の状態です 「あんだッ」 ちょっと怒っています<あなたッ> 「あんだぁッ!」 すごく怒っています<あなたぁぁ> 「あぁんだぁ〜ん」 甘えています<あなたぁ〜ん> 概ねこんな感じです、特に「あんだぁ〜ん」は女性が多用します 複数形の場合は「あんだだぢ」になります 他にも<あなた>と同じように使用される単語を紹介しておきます 「んが」「が」「な」<おまえ> 「おめ」<きみ>ちなみに青森県で「きみ」は<とうもろこし>の ことを言い、アクセントは「き」に来ます |
| 119 かっつぐ | |
| 「はやぐぜじゃぁ、みなして、んがばぁまってんでぇ」 <早くしろよ、皆でおまえを待っているんだぞ> 「さぎにいってでけろ、すぐ、かっつぐすけぇ」 <先に出発してよ、すぐ追いつくから> ということで、「かっつぐ」は<追いつく>と言う意味です そして、追い越してしまうことを「かっとす」と言います。 「ヤッ、サイッ!ぷっとばして来たすけかっとしてまったじゃぁ さぎにいげってへってで、あどまって出で来たのさ、さぎに 着いでまったじゃ」 <アッ、しまった!急いで来たから追い越してしまったよ 先に行けって言っておいて、遅れて出てきたのに先に 着いてしまったよ。> |
| 118 にしまる | |
| 白い下着等が長期の使用により黒ずんできて、洗濯をしても白くならない様子 極端な例としては、「おでん」の具になった大根を思い出してください。 白い大根がおでんの汁に染まって茶色になると食べ頃ですよね。 これを黒ずんだ白い下着やワイシャツに当てはめた言葉が「にしまる」 漢字にすると「煮締まる」たぶん、こういう漢字になると思うのですが こちらの方が雰囲気が伝わりやすいでしょうか。 昔「伊奈かっぺい」さんがライブの中で「すっぱね」模様のズボン 「襟垢」模様のワイシャツがあればいいなぁというようなことを言っていましたが 「にしまった」色の白いワイシャツはなかったと思います |
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| 「すっぱね」 = 道路がぬかるんでいるところを歩いたりしたときに ズボンの後ろ裾付近に付く泥はね(青森県全域で通用) 「伊奈かっぺい」 = 青森県を代表する「津軽弁」の達人の一人 ライブは主に自作の詩の朗読、(当然津軽弁)及び トーク。 活動は青森を中心とするも全国規模で活動 |
| 117 ぐだめぐ | |
| 愚痴をこぼすまたはグズグズと文句を言う 「ぐだめいでねでかへがなが!」<文句を言っていないで仕事をしろ!> 「まぁだ始まったじゃ、じさまのぐだめぎ」<また始まったよ、お爺さんの愚痴> 「ありゃぁよぉ、飲めばぐだめぐ」<あいつは酒を飲むと愚痴をこぼす> 「飲めばぐだめぐ」酒癖の悪い人の例えなのですが「ごんぼほる」より 1ランク下という感じです。 「ごんぼほり」は泣いたり怒ったり、最悪の場合は暴れたりするのに対して 「ぐだめぎ」は過ぎたことやどうでも良いことをいつまでもクドクドと話す人を言い、 暴れたりはしません。 言い換えると<飲むとくどくなる>と言った方が解りやすいでしょうか。 津軽弁では「飲めばかだる」と言います。 |
| 116 ののめがす | |
| これも翻訳不能後の一つです。 用例としては「ののめいで来る」<怒濤のように押し寄せてくる> 「ののめがす」<怒濤の攻撃>この辺が基本形になると思います。 後はこれを会話の中に応用していけばいいでしょう。 前にも何回か書いてあるとおり、同じ言葉なのに使い方によっては意味が 違ってくる言葉の一つなので注意するように。 例1 父「おんずぁ、あんちゃかぐってらプラモデル出してきてぇ、かせば ののめがされるぇ」<弟よ(これって変ですよね、直訳するとこうなりますが この場合は代名詞なので子供の名前に入れ替えて読んでもらえれば理解できると 思います)お兄ちゃんが大事にしまっているプラモデルだしてきて、壊せば袋だたきに あうぞ> ののめがされる=袋だたきにあう 二男「あんちゃ、ワさ、かすってへったおん」<お兄ちゃん、僕に貸すって言ったよ> 例2 中体連新人戦のサッカーの応援中に防戦から攻撃に転じた我がチームに向かって お父さんたち「ホリャー、いげー、ののめがせー」<それー!行けー!ガンガン攻めろー> こんな感じです。 |
| 115 かっちゃ 2004/ 9/ 9 | |
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「かっちゃ」このまま使うと<お母さん>と 言う意味になりますが頭に「くり」が付くと 「くりかっちゃ」と言う言葉になり、全然別の 意味になります。 左の写真の手袋の上に乗っているのが 「くりかっちゃ」です。 お判りですね、栗のいちばん外側の殻の ことを「くりかっちゃ」と言います。 上の写真は何日か前の台風の影響で 落ちた栗のようで、割ってみましたが、 栗と言うにはあまりにも小さくて まだ食べられるような代物では ありませんでした。下の写真は 現在成長中の栗を枝から落として写真に おさめたものです、上の写真と比べても 二回り以上も大きいのが判りますね。 今年は夏が暑かったせいか、栗が豊作の ようです。 |
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| 因みに、松笠のことは「まつかっちゃ」と言います。 | |
114 いろっぺわり 2004/8/16
<色合いが悪い>と言う意味で、私が昔、イスズの<ジェミニ>という
車を買ったところ、友人達に「なんでぇ、この色よ、いろっぺわりぃ車だごど」と
ひんしゅくを買ったことがあります。
| 色は右のような色でした | この色は | 色の名前は忘れましたが |
自動車には似合わない色で八戸には何台もなく、非常に目立ち、 月曜日になると同僚から「んがぁ、きな金浜でサーフィンやってらったべ」 等と週末の私の行動が友人、同僚に常に把握されていました。 |
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113 みっぱわり 2004/8/16
<見た目が悪い>という意味です、
「使い終わったロープばちゃんととりけでおげぇ、たごめでおがねぇでよ。
みっぱわりぃし、くまってまるべな」
<使い終わったロープはきちんとかたづけておけ、ごちゃっとなったまんまにしないで。
見た目も悪いし、もつれてしまうだろ>
<見た目が悪い>と同じような意味を持つ言葉が「めぐせ」こちらは<格好悪い>
或いは<みっともない>という意味で使用されるのが本来の使用法なのですが、
最近では、「みっぱわり」はあまり使用されず、全部をひっくるめて
「めぐせ」を使用しているようです。
因みに、この「めぐせ」津軽弁でも使用されており、津軽弁での意味は
<恥ずかしい>になります。
112 へっちょはぐ 2004/8/4
No111で<泣き言を言う>と紹介しましたが、本来は<泣く>という意味です。
しかし、悲しくて泣くのではありません。アスリートが筋力トレーニングをするときに
あまりにもつらくて「ンンンッ」や「あ゛〜!」というような声を出してしまうことを言います。
ですから、思い物を運ぶときに「よいしょ!、よいしょ!」とかけ声を掛けますが、
この行為全般を「へっちょはぐ」と言います
111 ほねおれる 2004/
7/26
骨折のことではありません。<難儀する>と言うような意味で
「ほねおれるしごどだじゃ」<難儀な仕事です>や
「ごぐろうさん、ごぐろうさん、ほねおれだべ。上がって休め休め」
<ご苦労さん、大変だっただろう。上がって休んで下さい>という
使い方をします。そして、<難儀する>という意味で使われる<大変>
これは<大変な作業>「ただでねしごど」南部弁講座49で紹介しています。
そして南部弁講座77で紹介している「ゆるぐね」<きつい(窮屈という意味ではありません)>
<きつい仕事>「ゆるぐねしごど」で、こういうのが3日も続くと「へっちょはぐ」
<泣き言を言う>訳で、「この庭石、もでくてもでくて、はごぶのさ、ただでねぇのよ
へっちょはぎながらようやっと、はごんできたじゃ」
<この庭石、重くて重くて運ぶのに大変だったんだから、泣きながらやっとの事で運んできました>
「やいや、ほねおれだべ、まんず休め休め」
<それはそれは、難儀だったでしょう、とりあえず休憩して下さい>
と言う感じでしょうか、しかし、この「ほねおれる、ただでね、ゆるぐね」あまり文法にこだわらず、
そのときの状況や気分でアバウトに使い分けているのが現状です。