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南部弁講座

その14

はじめに。
このコーナーでは、基本的に「」で囲んだものを原語<>で囲んだものを
翻訳語として扱っており、赤字は難しい言葉、(全部難しいのですが)
青字は特に難しい言葉を表しています。

     

その14で紹介している南部弁
 のべる   くっつぐ   ねまる   ながまる   からやぎ 
 まぎり ずっきゃぁ じゃま はんでぇ  たのむじゃよー 


150  たのむじゃよ
   直訳すると<(無理を承知のうえで)お願いします>

   簡単な言い回しで行けば<何とかお願い!!>が一般的な使われ方ですが、

   この場合、前置詞として「何々してけろじゃ」<○○してください」と言う言葉が
   
   つくのに対し、もう一つの「たのむじゃよ」は<勘弁してよ>という意味も

   あるのです。

   例<お願い>の場合

   息子「とっちゃ、わぁあだらしい車買うへんでじぇんこ貸してけろじゃ
     <お父さん、僕、新しい車買いたいのでお金を貸してください」

   父「えがよんたなげわらしさ貸すじぇねぁねぇ!!
    <お前のような放蕩息子に貸す金はない!!」

  息子「たのむじゃよー」<何とかお願い>


    <勘弁してよ>の場合

   現場主任「この仕事かだづげねぇばえさかえさねへんでな
        <この仕事片づけないうちは家に帰さないぞ>

   社員「たのむじゃよー。ばげ飲みあるのさー
     <勘弁してよー。今夜合コンあるのにー>
   
   *宴会も合コンも接待も全部”飲み”でかたづけてしまいます
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149 はんでぇ
   卓袱台(ちゃぶだい) 

   漢字に直すと「飯台」となり、食卓の事を指します。

   青森県南部地方のローカル紙「デーリー東北」の”南部アーカイブス”という

   コーナーに掲載されました(9月24日付)

   記事の内容にはなかなか興味深いものがあります。
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148 じゃま
   風体や体格のことを指します。

   「でぇがふみでっこ、たなってきてけろじゃ。じゃまぁちゃっけへんで棚の上さ、

   てぇとどがねじゃ。


   <誰か踏み台を持ってきて下さい。背が低いんで棚の上に手が届きません。>

   というように背が低い場合は「じゃまちゃっけ」背が高い場合は「じゃまおっき」と

   使用し、体格を表す場合は小さい体が「じゃまちゃっけ」で大きな体は

   「じゃまおっき」になります。

   そして「そのじゃまよ」<なんだその格好は>はあまりにも汚い格好だったり、

   みすぼらしい風体をした人に対して向けられる言葉です。

   その他類似した言葉として「ふじゃまなし」と言う言葉あり、この意味は<弱虫>や

   <意気地なし>というような意味で、相手を罵倒する言葉です。

   「なに、んがぁ、おなごさカモふむぐられで、ねぇでけってきたってが?ふじゃまなし

   このぉ。じゃまばりおっきくてもじぐなしだんだおぃぇ


   <エッ?お前、女の子にチ○ポ蹴飛ばされて泣いて帰ってきたの?弱虫!。

   体だけ大きくても意気地がないんだから>

   じぐなし=意気地なし・弱虫
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147 ずっきゃぁ
   〜そうだじゃないか

   動詞の後に付く言葉で、「へったずっきゃぁ」<言ったそうじゃないか>や

   「ねってまったずっきゃぁ」<眠ってしまったそうじゃないか>というように

   他人の行動を又聞きして会話の中に盛り込む場合に使用します。

   例1 あんだ、ノブがよねこばふったらぃだのば先生サしかへだずっきゃぁ

   訳1 貴方、ノブがよねこを殴ったのを先生に教えたそうじゃないか

   例2 A「きな、でぇんだがスキーでふっころんでけがしたずっきゃぁ

       B「6週間の入院だずぅ

   訳2 A「昨日誰かスキーで転んで怪我したって?」

       B「6週間の入院だそうだ」

   例2のBの返答にある「ずぅ」訳文で解るとおり、ここで会話が終了する

   かたちになるが、(このまま会話が続く場合の方が多い)「ずっきゃぁ」の

   場合は話題の口火を切るかたちになる。したがって、「入院だずっきゃぁ

   になると、「なにとんつけだんだがやぶさ入って行ったずぅ、

   でぎもしねくせして


   <何トチ狂ったのかはしれないけれど、深雪に入って行ったそうだ、

   出来ないくせに>「ほんじねぇもんだぁ」<馬鹿な奴だ>というようにどんどん

   会話が弾んで酒の肴になることがしばしばあります。

   ふっころぶ=転ぶ 思い切り転ぶことをぶっころぶと言います
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146 まぎり
   刃物の名称です

   本来は鉈のことを指すのですが、一般的には小刀・ナイフ・カッターナイフ等も

   「まぎり」の部類にはいるようです。

   しかしこの「まぎり」鉈はナタでもホームセンターで売っている

   菜切り包丁をごっつくしたような鉈ではなく、日本刀と出刃包丁を

   足して2で割ったような形状をしている鉈のことを「まぎり」と呼ぶようです。

   正式名称は<山刀鉈>と言い、「まだぎ」<猟師のことを東北・北海道では

   こう呼ぶ>が猟に出る時の必需品である。

   私たちは職場で、この「まぎり」という名詞を、

   <刃物一般>という代名詞として使用しています。

   例えば

   オゥ今けったじゃ。土産サ屏風山のスイガァ買ってきたへんで、

   でぇが"まぎり"たなってきてけろ。みなしてくべ。


   
訳  ただいま出張から帰りました。お土産に屏風山の西瓜を買ってきたので

   誰か包丁持ってきて下さい。みんなで食べましょう。

   こんな感じになります。冬なのに西瓜かよ、と思うかもしれませんが、あくまで

   たとえなので悪しからず。

   因みに包丁全般は「ほいじょ」で出刃包丁や牛刀・柳刃等の先のとがった物は

   「でぇんば」(小さい"ぇ" と小さい"" は発音しない)と言うんですが、

   包丁一般を「でぇんば」と言う場合もあります。
  これが"山刀鉈

  正式名称「まぎり」です
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145 からやぎ
   横着者のこと言います。

   「からやぎぃこのぉ」<横着物め!>

   「からやぐ」<横着する>などと使用し、会話の中では次のように使用します

   スキーのワクシングルームにての会話

   コーチ
   「んがんどぁ、そっただからやぎワックス使ってぇ、直ぐすんべなぐなるべな、

   からやがねでホットワックスしながぁ、なぐのぁんがんどだんで


   <お前達、そんなワンタッチワックス使って、直ぐ滑らなくなるだろうが、

   横着しないでホットワックスしなさい。泣くのはお前達なんだから>

   選手
   「どうせからやぎだおん。ないだってなにしたって、へっちょはぐのぁワだべ

   これがらとんでんさ、のみさいがねばわがねぇんだじゃ


   <どうせ横着物です。泣こうが何しようが苦労するのは私です。

   これからとんでんに飲みに行かなければならないんです>
   
 これが、いわゆる「からやぎワックス」と言われるもので、

使用法は、「万能」と書いてあるキャップを取り、逆さにして、

スキーやスノボの滑走面に何カ所かシュッシュッと押しつけながら

付いているスポンジでまんべんなく塗布し、10〜20分乾燥させ、

コルクで滑走面をゴシゴシこするだけでワクシングが完了するという

優れものです。

しかし簡単な反面、持久力に乏しく、効果が期待できるのは
最大3時間の滑走なので1日2回のワクシングが必要になる。
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144 ながまる
   横になる、使い方は「そごさながまれ」<そこに横になれ>と使います。

   これに類似した言葉で「足ば、ながめろ」というのがあり、

   こちらは正座している人に対して使う言葉で<どうぞ膝を崩してお楽にして下さい>と

   いう意味です。
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143 ねまる
   座る、 使い方は「そごさねまれ」<そこに座れ> あるいは「いいすけぇねまれ

   <良いから座れ>や「ねまるが?」<すわろうか?>などと使いますが、山形では

   <横になる>という意味で、九州では<物が腐る>ことを「ねまる」と言うそうです。
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142 くっつぐ                  2005/05/26
   噛みつくことを言いますが、通常は「くっつがれる」<噛みつかれる>と使います。

   「めごい犬っこだど思って手ばのべだっきゃくっつがれでまったじゃ

   <可愛い犬だと思って手を差し出したら噛みつかれてしまったよ>

   「ウーって唸ってらどもくっつがねど?

   <ウーといって唸っているけれど噛みつきませんか?>

   「その犬きかねすけぇいだずらせばくっつぐどぉ

   <その犬は暴れん坊だから悪戯すれば噛みつくぞ」

   こういう感じです、因みに<くっつく>は「ふっつぐ」で

   「もげだらボンドでふっつげろ」<取れたらボンドでくっつけなさい>

   津軽弁では「ねっぱる」といいます。
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141 のべる   2005/04/12
   標準語では<意見を述べる>あるいは<手をさしのべる>と使いますが、

   南部弁では「のべでよごす」<差し出される>や「竿ばのべろ」<竿をのばせ>などと使います。

   例(マロニエサッカーフェスティバルで付き添いの父兄の会話)

   トッチャA「勝敗表ば貰ってきたじゃ」<勝敗表を貰ってきたよ>

   トッチャB「ジャッ、よぐけでよごしたごど」<エッ!?よく貰えたな>

   トッチャA「勝敗表ばぁ書ぐきなって行ったっきゃ、これば、のべでよごしたおん

   <勝敗表を書こうと思って行ったら、これを差し出されたんだよ>

   カッチャA「 " のべでよごす "アンダァどごのこどばっこぉつかってらのぉ?

   栃木まで来て "のべでよごす "だのって。オラしょす
」<"のべでよごす "貴方は

   何処の言葉を使っているの? "のべでよごす "なんて、私恥ずかしいわ>

   トッチャA「なにへってらど、"しょす "だのって。はぢのへでねばつんじねぇえ

   <何を言っているんですか、"しょす "なんて。八戸じゃなきゃ通じないよ>

   こういう感じで南部弁を前面に押し出しながら応援をしてきました。
   


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