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南部弁講座

その15

はじめに。
このコーナーでは、基本的に「」で囲んだものを原語<>で囲んだものを
翻訳語として扱っており、赤字は難しい言葉、(全部難しいのですが)
青字は特に難しい言葉を表しています。

     

ぐれっと   「へば」と「だば」   どごだり   しが   べろたやし 
 だぁあだだ 


156  だぁあだだ
   これは単語ではなく会話語です。

   否定文になり、以前掲載した「だぁへば」と同義語になります。
   
   使用法は「だぁあだだ!そやせばわがねんだおえん。機械ばかすじゃ
   <それは駄目だ!そのようなやり方は良くない。機械を壊してしまう>
   
   というように”駄目駄目”みたいな感じの使い方になります。
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155  べろたやし
   なんと表現したらよいのやら

   諭しても諭しても聞き分けのない人間に対して「べろたやしだじゃ!!」と使います。
   相手を罵倒する言葉ではあるのですが、第三者が「べろたやしだんだ」と使うと
   <言っても無駄だから>と言う意味になります。

   これは、ひとつの単語ではなく、「べろ」と「たやし」という二つの単語から成り立って
   います。
   「べろ」は<舌>を意味し、「たやし」はそのまま<絶やし(無くしてしまう)>と
   いう意味で、この場合は<舌が無くなるほど何回も言っているのに何故?>と
   言うような感じです。

   因みに、「べろ」は<舌>をさしますが、<よだれ>も「べろ」と表現します。
   「やいや、このおなご、べろたらしてねでらじゃ
   <アチャー、この女性、よだれをたらして眠っているよ>
   
   <たやし>は標準語(根絶やし等と使用します)で、国語辞典には「絶やす」で
   掲載されています。
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154  しが
   「氷」のことです。

   童謡に♪春になればしがこも解けて♪というフレーズがありますが、
   標準語ではありません。

   ある日、居酒屋で同僚達と飲んでいると、水割り用の氷がなくなり、
   同僚の一人が、従業員の女の子に「ネッチャ。しがけろしが」<お姉さん
   氷下さい氷り>と声をかけた。

   キョトンとしている従業員にアイスペールを差し出して再び「しがけろ!
   <氷り下さい>もう一人の同僚が「すいません。氷り下さい」と言って
   「しが、しが」と騒いでいる同僚に向かって「んがぁよ。わげものさ、
   シガって
へったってわがるってが!?どどもねぇごどすな!
   <おまえサ〜若者に”しが”と言っても解るもんか!意味の無いことするな
   と窘められた。
   私も「んだ、んだ」と相づちをうち、彼が夏に起こした騒ぎを持ち出し、
   それを肴に盛り上がった夜でした。
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153  どごだり
   んがんどぁせっかぐ貰った花火どごだりさおげばなぐするえ
   訳
   あなた達せっかく貰った花火その辺においておくと無くするよ。

   と言うことで今回は「どごだり」です。
   使い勝っては良いのですが翻訳が難しい言葉の一つです

   例えば子供が海水浴で砂だらけになった水着やバスタオルを外で
   下洗いもせずに家の中に持ち込んだ場合「どごだりさおぐな!
   となる訳です。

   それから辞典などで調べものをしている場合は
   「どごだりみでもめっかんねぇえ」と子供に諭します。

   山菜採りで山へ入る前に初心者に「どごだりさいげば迷子になるすけ
   ワがら離れるな」と注意します

   雨降りのサッカーから帰った子供に「どごだり歩ぐな!まっすぐ風呂場さ
   いげ」と注意します
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152   「へば」と「だば」
   「菊駒」ずぅなめっこつかわれねぐなるってが?へば、さがやのなめっこ
   かわるずのがぁ?


   訳
   「菊駒」という名前を使えなくなるっていうの?そしたら酒蔵の名前が
   変わるというの?

   ということで「へば」は<そしたら>という意味なのですが、
   状況によっては<じゃあまた>みたいな挨拶としても使用します。

   わぁ明日はぇえへんでさぎにかえるじゃ。へば!

   訳
   私、明日早いので先に帰ります。お先に!

   そして「だば
   挨拶として使用する場合は「へば」の代わりに「だば!」と使います。
   挨拶じゃない使い方は、結構難しいので簡単なものを紹介しておきます

   何時のきしゃよ?(時計を見て)うん今だばまにゃる

   訳
   何時の電車?うん今なら間に合う
   
   ということで、<〜なら>という感じです。
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151   ぐれっと
   <根こそぎ>という意味なのですが、別な使われ方もします。

   本来の使い方
   「やいや、はぁ。せかっぐはだげさおがしてらったぁたらっぽの木ぃ
   今朝みだっきゃぁみんな切られでまってらぁ。ぐれっとよ。
   ぎなっときたじゃ


   <あぁ、もう。せっかく畑で大事に育てていたタラの木、今朝見たら
   全部切られてしまっていたよ。それも根こそぎ。もうがっかりよ>

   というように最近はタラの木を鉈で切って持って行く人がいるんです。
   自分さえよければ他人はどうでも良いという人が増えてきているよう
   です

   これも正しい使い方です
   他の部署の主任「がぁほうのわげぇものぁなによあれ、ぬさばった
   くぢのきぎがだするへんですこったきゃぶっふらどふぐれでぐれっと
   いなぐなってまったぁ。ちょうじゃぐしすぎでねのが?


   <お前のところの新人はなんなんだあれは、横柄な態度だったから
   注意したらムッとした顔をしてプイッと出て行ってしまった。甘やかし
   すぎなんじゃないの?>
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