
南部弁講座
はじめに。
このコーナーでは、基本的に「」で囲んだものを原語<>で囲んだものを
翻訳語として扱っており、赤字は難しい言葉、(全部難しいのですが)
青字は特に難しい言葉を表しています。
| その5で紹介している南部弁 | ||||
| のろっと | わっつり、がっつり、もっつり | まずら | になじまい | |
| はがいぐ | つらつぎ | みったぐなし | ごんぼほり | やわい |
50 「やわい」 やわらかい 2003/2/16
先日三日町(みっかまち)に買い物へ出かけた際、
「かえりしま」<帰るとき>ストリートかっちゃの所へよって
’まめしとぎ’を買って帰ろう、ということで、帰りによりました。
店先にはいろいろな物が並んでいて、その中に袋詰めされた干し芋があり、
なにやら書いた紙切れが置かれていました。
それを読むと、「干し芋やわいです」と書いてある。
かっちゃは、たぶん標準語だと思って書いたと思うのですが実は南部弁なのです。、
本来の発音は「やあうぇっ」となりローマ字にすると”YAWUE”という感じでしょうか
実際ワープロにYAWUEと入力して変換すると「やうえ」になります。
ちなみに「かえりしま」<帰るとき>の反対語として「いぎしま」<行くとき>と
いう南部弁があり、「いぎしまこれももってってけろじゃ」<行くときにこれも持っていって下さい>
と使います。
49 「ごんぼほり」 酒に酔ってくだをまく人 2003/1/19
「あそごのとっちゃ、さげ飲むんだら”ごんぼほって”ただでねんだじゃ」
<あそこの家のお父さんは酒に酔うと”くどくどとくだをまいて”大変なんだから>
という使い方になり、「ごんびほって、ごんぼほって」と、なった場合は、
「ごんぼほって」+2ではなく、「ごんぼほって」×2というニュアンスで、
感じとしては<酒乱>と訳した方が判りやすいかもしれません。
そして、文中にある「ただでねんだじゃ」本来は<只ではすまないよ>なのですが、
その場の雰囲気で<大変なんだから>とか<凄いんだから>というように使用されます。
ちなみに”駄々っ子”のことも「ごんぼほり」といいます。
48 「みったぐなし」 ブス 2003/1/19
遙か昔、女の子と口げんかをして負けてしまうと、よく「みったぐなしこのお」
<ぶすのくせに>等と負け惜しみに使っていました。
この「みったぐなし」津軽弁では何とかという梨の品種名なのだそうです。
ですから、青森や弘前の果物屋さんで「みったぐなし」下さいといえば、
”梨”が出てくるんですねー、びっくりしました。
本当の話です。
47 「つらつぎ」 人相 2003/1/19
「つらつぎわりぃ」これはそのまま<人相が悪い>になりますが、
会話の中で「どやしたのえ、なよお、つらつぎわりぃえ」となった場合は、
<どうしたんだよ、おまえ、怖い顔して>となります。
「つらつぎされる」<ガンをつけられる><いやな顔をされる>
例
「かどっこのじっちゃ、あそごのえのめえ、わ、犬へでげば、つらつぎすんだじゃ」
標準語にすれば<通りの角に住んでいるおじいさんは。私が犬を連れて、
おじいさんの家の前を通ると露骨にいやな顔をするんだ。>となります。
この場合<露骨にいやな顔をするんだ>が「つらつぎすんだじゃ」にあてはまります。
46 「はがいぐ」 2003/1/15
作業等が捗ること。これに対して捗らないことを「はがいがね」と言います。
しかしながら「やー、今日はあっつがったすけびーるっこあはがいぐえー」
<アー、今日は暑かったからビールを沢山飲んでしまいそうだ>
というように、”飲酒が捗る” や ”食事が捗る「ままはがいぐ」”等
本来とは違う使い方も許されているわけです。
ちなみに、この「はがいぐ」「はがいがね」山形でも使用しているそうです。
45 「になじまい」 2003/1/15
農業用語で<収穫終わり>というような意味で使われるのですが、
我が職場では、現場での作業終了時にも使用します。
例
現場主任「今日あしごどはがいったすけ、ちょっとはえども、はあになじめえだ」
<今日は予定より作業が進捗したので少し早いけれど作業終了>
<作業道具を格納する>という意味も含まれています。
44 「まずら」と「かだり」 2003/1/15
どちらも同じ意味で、<○○ごと>という意味です。
例えば、「はごまずら」或いは「はごかだり」は
<箱ごと>という意味になります。
43 追伸 2002/12/23
”42”で説明した「わっつり」 「がっつり」 「もっつり」
解説に不足がありましたので、追加します。
「もっつり」は<山のように>というニュアンスで使用します。
例 「しゅぐだい、もっつりでだ」<宿題を山のように出された>
「がっつり」は食べるとき以外にも使用します。
例 「ゆんべがっつりねだじゃ」<昨夜は爆睡してしまったよ>というような感じです。
今回の「わっつり」 「がっつり」 「もっつり」普段何気なく使用している南部弁なのですが、
標準語に直すとどれもが同じような意味を持つ言葉になってしまい、
これをわかりやすく説明するため、使用するときの状況等を細かく説明しなくても
理解して貰えるような例文を掲げました。
42 先日「はまだ」さんからメールをいただきました。 2002/12/14
「わっつり」 「がっつり」 「もっつり」
この三つの言葉のニュアンスを知りたいと言うことなので解説します。
「あんまりきもやげだへんで”わっつり”ふったらいだ」
<あんまり腹が立ったので”力一杯”殴った>
「”がっつり”まま食ったへんではらちぇ」
<おもい切り沢山ご飯を食べたので腹が苦しい>
「今朝おぎだっきゃ”もっつり”どゆぎあつもってら」
<今朝起きたら雪が沢山積もっていた>
ということで、「わっつり」は、<力一杯>や<おもいっきり>で
「わっつりぶつけだ」は<おもいっきりぶつけた>という使い方をします。
「がっつり」は例にもあるとおり食べるときに多用する言葉で、
<ガツガツ食う>というような感じです。
最後の「もっつり」は最初の2つが動詞なのに対してこれは形容詞になります。
<沢山>という意味なのですが、今風に言えば”チョー沢山”というような感じでしょうか、
解っていただけたでしょうか
41 「のろっと」<山ほど・沢山>
南部弁には、沢山と言う意味の言葉が沢山「のろっと」
あるわけで、そのときの状況により使い分けするわけですが、
南部人以外には、この微妙なニュアンスが解らないらしい。
他にも「もれもれ・ごらごら・やま」等、沢山あり、これを全部を説明すると、
A4の用紙に10ページ以上になるので省略します。
どの言葉も<山ほど・沢山>という意味です。