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南部弁講座

その6

はじめに。
このコーナーでは、基本的に「」で囲んだものを原語<>で囲んだものを
翻訳語として扱っており、赤字は難しい言葉、(全部難しいのですが)
青字は特に難しい言葉を表しています。

その6で紹介している南部弁
 にったかむ   あだる  いずい
ば、よ こわい  はっちゃがる   数の数え方   感嘆詞 


60 南部弁における感嘆詞について。             2003/7/6

   代表的な物として「ジャッ」や「イーヤッ」或いは「ヤッ」などがあげられますが、

   「ジャッ」と「イーヤッ」を合わせた「ジャイヤ」というのもあり、

   この場合は驚きも1.5倍くらいになります。

   意味はどれも<アッ>や<オッ>又は<アチャー>という感じです

   この他に、失敗したときに使う「ヤッイッ」や「イッ」というのがあり、

   どちらも<しまった>という意味です。

   例  A 「ヤッイッ、しゃぶろおれでまったじゃ」<しまった、スコップが折れてしまいました>

      B 「あらげなぐあおるすけだべな」<お前が力任せにあおるからだろうが>

      C 「ジャイヤまがないなんねべな」<アチャー仕事にならないよ>

   スコップのことを「しゃぶろ」といい、「あらげなぐ」は「あらげない」の活用語であり、

   意味は<荒っぽい>ですが、この場合は<力任せ>と訳し、

   「まがない」は本来、家計のやりくりや、予算のやりくりを意味する言葉なのですが、

   仕事の手順や業務一般を指す言葉としても使用されます。

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59 数の数え方                             2003/7/5

   数を数えるとき、標準語では<ひとつ、ふたつ、みっつ>と数えますが、

   南部弁では「ひとっつ、ふたっつ」と、なり<いつつ>は「いづっつ」で

   <じゅういち>は「じゅいず」と、なります。

   そして極め付きは、人数を数えるときで<3人>は「みったり

   <4人>は「よったり」で<数え切れない>は「いっぺ」となります。

   ただし、この「いっぺ」は<沢山>という意味にもなります。

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58 「はっちゃがる」<跳ね上がる>                 2003/6/30

   最近ではほとんど聞かれなくなりましが、例えばハッチバック式の乗用車を

   後ろのドア「はっちゃがるくるまだんだじゃ」と表現します。

   又、おてんば娘のことを「はっちゃがり」といい、

   ものすごい勢いで走り回ることを「けっつはっちゃげではっしてあるぐ」といいます。

   「はしってあるぐ」<走り回る>濁点をとると”走って歩く”ですが、これも南部弁です。

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57 「こわい」話                        2003/6/9

   標準語で”こわい”は恐ろしいと言う意味ですが、南部弁では、<疲れた>とか<大変だった>という意味なります。

   文字にすると「こわい」になりますが実際jに発音すると「こえ」や「こぅぇ」になり、会話の中に盛り込むと、

   「じゃいや、こったに、もでのしょってあるったらこえがべな

   <アチャー、こんなに重い物背負って歩いたら疲れるだろうが>

   とか「わ、こえすけ、やめだじゃ」<私、疲れたからやめました>や

   「やっ、こぅぇごどこえごど、 はあ、えったってつなひぎだばやんねぇじゃ

   <いやー疲れた疲れた、もう絶対綱引きはやらない>

   というような使い方になります。

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56 「ば」と「よ」の使用法             2003/5/24

   最近紹介した「」「」の他に「ば」と「よ」というのがありまして、

   これは南部弁に限らず、津軽弁でも同じような使い方をします。

   今回は「」と「」を解説したいと思います。

   「」は、一つの意味しかありません、標準語の<を>を意味する言葉で、

   「さげばもってこい」<酒を持ってこい>というように、”〜を”が「」になる訳です。

   例として「でんきばつける」<電気を点ける>「やがんばたなぐ」<やかんを持つ>

   「おんずばへでぐ」<弟を連れて行く>というように”を”の所に「」を入れてやると、

   だいたい南部弁らしくなります。

   次の「」は使い方によって意味が違うのでチョット難しいです。

   これは1の”もう一つのが、ぎ、ぐ、げ、ご”の中でほんのちょっと紹介してありますが、

   「がよ〜」<おまえな〜>だけでなく自分の場合も使います。

   それが「わあよ」意味が何種類かあります。

   一つは<俺サー>この場合は話しのきっかけづくりに多用します。

   例 「よ車とっげだんだじゃ」<俺サー車換えたんだよ>

   もう一つは<俺だ>という意味がありますが、これと同じ意味を持つ言葉として

   「わだ」というのがありますがこちらの場合は”なんか文句あっか”みたいな

   強気の発言になり、「」の場合は<私です>みたいなニュアンスで

   覚えていただければ良いと思います。

   例 「でんで!、庭さ穴ほったのあ」「わあよ」<誰だ!庭に穴を掘った奴は><私です>

   もう一つの「」は「がよ」<おまえだ>です。

   こちらは語尾はのびません、そのまま「がよ」になります。

   例 「今から選手ば発表するすけ、選手はがど、がど、がよ

   <今から選手を発表する、選手は、お前と、お前と、お前だ>

   と言う感じです。

   長くなったので今回はここまで。  

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55 「」の使用法について解説                 2003/5/10

   54で解説した「」と同じでこれ自体に意味はないのですが、使用するシチュエーションや

   アクセント等により感嘆詞となります。

   例1 「やっ!はっからのんでらのが?始まるめに」<オッ!もう(お酒)飲んでるの?始まってもいないのに>

   というように、この場合の「やっ!」は<オッ!>という意味になります。

   例2 「や〜  まやまやってらすけバスさおぐれだべな

   <あ〜あ おまえがぐずぐずしているからバスに乗り遅れてしまった>

   「や〜」と、のばすことによって、がっかりした表現になります。

   この際「」はまっすぐ伸ばすのではなく  このように伸ばし、さらにこれを長くすることによって

   落胆の度合いを表現することができるのです。

   この他に「じゃっ!」や「いーやっ!」等がありますが、次の機会にしましょう。

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54 南部における「」の使用法について            2003/4/20

   南部弁で「」というのはこれ一つで意味をなす言葉で、付ける位置等で意味が違ってきます。

   例えば、「〜したった」<〜したそうだ>というように動詞の後にくる場合と

   前に「にだくせ」で解説した「〜のあ」<〜というのは>の場合は

   形容詞や動詞に関係なく使用します。

   「〜」の場合は、案外簡単で、「いだ」<いたそうだ>や「ある」<あるそうだ>

   「いぐ」<行くそうだ>というように使用しますが、

   「〜ずの」の場合は「のあほんとにがよ」<行くというのは本当ですか>や

   「これなんずのよ」<これは何という名前ですか?>或いは

   「”松井”」<君か”松井”というのは>

   というような使い方をします。

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53 「いずい」  窮屈、 (体に)しっくりこない

   2002年6月に単語辞典には掲載したのですが、使用例を解説していなかったので
   
   ここで解説します。

   窮屈な場合

   初めて”レカロ”のシートがイスズの乗用車に標準装備されたとき、ディーラーへ

   試乗に行って来ました。(20年くらい前の話です)

   セールス(友人です)「どんでぇ、あんべぇあ」<座り心地はどうですか?>

   私「腰だのかだだの、おっつけられでらよんて、いんずいじゃ

   <腰や肩が押さえつけらているようで窮屈だよ>

   セールス「たんだ座っただげだば、わがんねんだおえん。コーナー攻めでみねば

   <ただ座っただけじゃ判らないんだよ。コーナーを攻めてみなければ>

   私「なったらふうに違うのよ?」<どのように違うんだい?>

   セールス「いっとごま走ってみるど?すぐわがるすけ

   <ちょっと走ってみるかい?すぐ判るから>
   
   (体に)しっくりこない

   「なんだがこのリュックサック、でごぼごって、しょるんだら、へなが、いんずいんだじゃ

   <なんか、このリュックサックでこぼこしていて背負うと背中がしっくりこないよ>

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52 「あだる」  いろんな意味があるんです。

   「たがらくじさあだる”」<宝くじに当選する>これは、”当たり”がそのまま訛ったものです。

   「車あだる”」<車にぶつかる>これは投げた物が何かにぶつかった場合や、

   ぶつかりそうなときに使用します。
   
   例 駐車場でキャッチボール「すなじゃ、まじがってあだったら、どやすっきゃ
   
   訳 駐車場でキャッチボールをするんじゃない、万が一車にぶつかったらどうするんだ

   「隣のじじああっだった」<隣のお爺さんが脳卒中で倒れたそうだ>
   
   脳卒中等で倒れることを南部弁では「あだった」と言います。

   「こだつっこさあだる”」<こたつに入る>
   
   「ストーブあだる”」<ストーブで暖まる><暖まる>の省略形です。

   例 「しばれだどごよぐきたなす、はやぐこっちゃきてあだれあだれ

   訳 寒い中よくいらっしゃいました、早く中に入って暖まってください

   「あだる」発音は ”あだ”は同じトーンで ”る”で下がります。

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51 「にったかむ」 ニヤニヤする          2002/3/2

   「ふとさしこられでらとぎになににったかんでらど

   <怒られているときに何ニヤニヤしているんだ!>

   とか「いっつもにったかんでらやづだ」<常にニヤニヤしている奴だ>

   等と使います。

   この話の中に出てきた「ふとさ」は<ひとに>と言う意味で<あの人>は

   「あのふと」となり、「しこられでら」は<叱られている、や、怒られている>で

   <叱る>ことを「しこる」と使います。

   「いっつも」は<常時、又は、<常に>と訳します。

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