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南部弁講座

その9


はじめに。
このコーナーでは、基本的に「」で囲んだものを原語<>で囲んだものを
翻訳語として扱っており、赤字は難しい言葉、(全部難しいのですが)
青字は特に難しい言葉を表しています。

その9で紹介している南部弁
かる かだる だぁへば  痩せ馬の先ぱしり  けね
 たなぐ   おごる   カラオケ屋  食べ物の名称  とってなげ 


90 「とってなげ」と「なべこだんご

   「とってなげ」水団(すいとん)のことなのですが、名前の由来は調理方法から

   来ている物ではないかと思われます。調理法の細部は省略しますが、メインとなるのは

   小麦粉を練って30分以上ねかしたものなのですが、

   これを " 一口大にちぎって「とって」鍋に投げ入れる " この行為が

   そのまま「とってなげ」と言う名前になったのではないかと考えられるわけです。

   「なべこだんご」関東で言う<お汁粉>と思ってくださって構わないと思います。

   ただし、汁はもっと濃く小豆の皮はそのままです、その中に団子が入っているわけですが、

   その団子の形がミソなんです。

   ピンポン玉より一回り小さいサイズの団子を平たくつぶして更にその真ん中を親指で凹みをつけて

   かなりゆるい粒あんの中に入れてできあがりなんですが、お汁粉と言えばおしるこ、

   あんころ餅と言えばあんころ餅、非常に中途半端な存在なのですが、餅ではなく団子なので

   なべこだんご、因みに団子の形(真ん中の凹み)がへその凹みに似ていることから

   へチョコ団子とも言います。

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89 食べ物の名称                 2004/1/3

   今回は食べ物の名称を若干紹介したいと思います。

   キャベツ=たまな   クレソン=みずたがな   

   蕎麦=そばはっと(雑記帳2を参照)   うどん=むぎはっと(雑記帳2を参照)   

   すいとん=ひっつみ、とってなげ   葉野菜全般=なっぱ

   お汁粉(のようなもの)=なべこだんご、へちょこだんご

   砂糖=さど   寒大根=かんでぇご   塩辛=きりごみ

   高野豆腐=しみどうふ   ごちそう=ごっちょ   牛蒡=ごんぼ

   次回は「とってなげ」と「なべこだんご」について解説します。

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88 あるカラオケ屋さんで              2003/12/17

   A「うだるのぁでぇよ

   B「わぁよ

   A「かぁマイク、さぁみなしてみみふたげよぉ、味噌もなもそじでまるどぉ

   「うだる」(71参照)と「わあよ」(56参照)は前に勉強しました。

   今回は「でぇよ」「ふたげよ」「味噌もなもそじでまるどぉ」を勉強します。

   「でぇよ」は<誰だい?>又は<誰?>と訳されます。

   活用法として「でんでぇ!」(56参照)があり、<だれだっ!?>と訳します

   次の「ふたげよ」は<塞げよ>という意味で、ここで使う「」は50音表にある<げ>では無く、

   "あげる" の「」です、この " ふたげ " 五十音表の "げ" になると<叩け>や<殴れ>という意味になるので

   注意するように。

   「味噌もなもそじでまるどぉ」は直訳すると<味噌から何から駄目になってしまうぞ>という意味です。

   しかし "味噌" というのは、発酵食品なので腐ったり、駄目になるよな物でありません、

   ですから、味噌が駄目になるようなことは通常では考えられないことなのです。

   よって、この場合は<" 味噌が駄目になるという考えられないことが起きる " ほどひどい歌だぞ>

   と訳されます。

   「そじる」本来は<失敗する>という意味ですが、作成している物が途中で駄目になってしまった場合にも

   使用します。同義語として「そじゃす」、活用法は「そじでまったぁ」<失敗しました>

   「そじゃしたじゃ」<失敗しました>

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87 怒っているときの表現方法           2003/12/15

   普通、怒っている場合は「おごる」と表現しますが、その他にも表現方法があります。

   憤慨する = いへる    いじける = つける   腹が立つ = きもやげる

   この三つが代表的なものですが、同じ言葉を2回3回と繰り返すことにより、怒っている程度を

   表します。因みに最大で3回です。

   例 やいや、おらえのおんつっこさがぁゆぐでねすけ"サンタクロース"ぁ こねんだぁ はぁってへったきゃ

      こ
つけるこつける、ばげままもかねでねでまったじゃ

   訳 イヤー、我が家の二男に「お前は行いが悪いから"サンタクロース"は来ないよ」と言ったら

      いじけてしまって夕食も食べないで寝てしまったよ。

   「おごる」の「」は"ゴボウ"の "ご" です
 

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86 「たなぐ」<持つ>  「もげる」<とれる>   2003/12/8

   「これもでくてたなげねすけいっとごましけろじゃ

   <これ重くて持てないからチョット手伝ってよ>

   「んがぁよぉ、そったらどごたなってればもげでまるべな

   <お前なぁ、そんなところを持っていれば折れてしまうだろう」

   と言うわけで今回は「たなぐ」と「もげる」です。

   「たなぐ」の場合はそのまま<持つ>と訳しますが、

   「もげる」の場合は例にもあったとおり、<とれる>や<折れる>の意味があり、

   物が壊れた場合の表現の一つであります。

   使用法としては、取っ手等突起物がとれてしまったり、折れてしまった場合に使用します。

   しかし、この「もげる」場合によっては、

   「そどぁさびぃ〜っ、鼻もなももげでまるじゃ」<外は鼻が凍って落ちてしまうくらい寒い>

   と言うように寒さの表現をする場合にも使用します。

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85 「けね」                      2003/11/24

   三つの意味があります。

   一つの「けね」は<食べられない>

   「はぁやめでままけねんだじゃ」<歯が痛くてご飯が食べられません>

   使い方によっては 「これべっこの給料だばままけねねじゃ

   という使い方があり<これっぽっちの給料じゃ生活が成り立ちません>

   と言う意味になります。

   もう一つは<簡単>という意味で「タイヤ交換ばしねばねんだども一人ででぎるど?車3でぇ

   <車3台タイヤ交換しなければならないのだけれど一人でできるかい?>

   「けね、けね、タイヤチェンジャーあるへんでちゅうはんめだ

   <簡単簡単タイヤチェンジャーがあるから午前中には終わるよ>

   最後の「けね」は<弱い>。昔、小学生の頃体育の授業でドッジボールをしたものですが、

   このときのチーム分けの際によく「これだばけねじゃ〜」<これだと弱いよ〜>と

   クレームをつけたりつけられたりしたものです。ですからこれも、使い方で

   <ふがいない奴>は「けねやづ」<見るからに弱々しい(影が薄い)奴>は「うすけねやづ

   横浜ベイスターズに大量得点を獲られて負けた読売巨人を罵る巨人ファン

   「ほにほにしたっけぁねやづらだ」<全くだらしのない奴らだ>等となります。

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84 「痩せ馬の先っぱしり

   痩せた競走馬は体重が軽いので前半ではトップを走っていてもスタミナがないので

   後半になると息切れしてしまい、最後にはビリになってしまうので、このように言います。

   方言と言うより一種の格言ではありますが、これを人間やチーム等に当てはめて使用します。

   例えば去年までの阪神タイガースは「痩せ馬の先っぱしり」だったわけで、あとは

   マラソンランナーなんかにも5キロ地点ぐらいまではトップ集団にいても10キロあたりになると

   もうどこにいるか判らなくなるようなランナーにも「痩せ馬の先っぱしり」を引用して揶揄します。

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83 「だぁへば」「どごに

   それぞれ独立した言語ではあるのですが。実際の会話の中では、結構複合技が見られます。

   意味は、「だぁへば」は<冗談じゃない>又は<そんな訳無いだろう>で、

   例を挙げると、今年の阪神は強かったですねー7月ぐらいに阪神ファンが

   「こどしこそぁ阪神優勝だべな」<今年こそは阪神が優勝するよな>

   「だぁへば、痩せ馬の先っぱしりだべな」<冗談じゃない、強いのは最初だけだろ>と

   巨人ファンが応酬していたものでした、ところが阪神に負け越しが決まると

   「どごにして阪神さ、まげこすのよ、したっけぇねぇもんだ

   <阪神に負け越すなんてとんでもない、情けないな>

   「どごに」は<とんでもない>で、それぞれ独立して使用される単語なのですが、

   合わせると「だぁへば!どごに!」と、なり、<とんでもない!何言ってるんだ!>と、なり

   よりインパクトの強い意味になります。そして極め付きがこちら

   例  「なに、さげのんでから車運転するってがへばっ!!ごに!はんかくせぇな

   <エッ、飲酒運転?何言ってんだ、とんでもない、バッカじゃねーの?>

   と言うように「」が大きくなるとその分語気が強くなることを表しています

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82 「かだる」アクセントで意味が違います。

   「」<加わる>この場合は「」にアクセントが来ます。

   これの発展型として「かでる」<加える>というのがあり、

   単語だけをとらえると、く加わる>や<加える>なのですが、

   「がもかるど」になると<君も仲間に入るかい?>になり、

   「わもかででけろ」<私もなかまにいれて>となるのですが、

   「これかででままけっ!」になると、これをおかずにご飯を食べなさい>に、なります。

   そしてもう一つ<祖父や祖母が子守をすること>を「まごかで」と言います。

   次の「かだる」アクセントはありません、<話をする>という意味なのですが、

   あまり良い意味ではなく、自分の自慢話や、愚痴を他人に長々と話をすることを指します。

   例  「飲めばかだる」<酒を飲むと愚痴をこぼす>

   似たような意味を持つ言葉に「飲めばごんぼほる」と、言うのがありますが、

   こちらは<くだをまく>や、最悪<暴れる>という意味になるので、

   「かだる」は1ランク下と言うところです。

   最後に「ばがぁかだってねでかへげぇ」<冗談言ってないで仕事しろ!>

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81 「かる」                     2003/10/30

   これも同じ言葉なのに意味が違う単語です。

   「鍵ば、かる」<鍵をかける>(地方によっては「ツメかる」と言うようです)

   「テレビば、かる」<テレビを買う>小さい頃駄菓子屋さんへお菓子を買いに入ったときに

   「かあるぅ〜」と声をかけて店内に入ったものです。

   <買い物に来ました>というような意味だったんでしょうねぇ。

   「ブレーキば、かる」<ブレーキをかける>

   免許取り立ての頃、先輩に「冬ぁサイドば、かれば、わがねぇぃえ、しみでまるすけ

   <冬はサイドブレーキをかけておけばいけないよ、サイドブレーキが凍ってしまうから>と

   よく指導されました。

   「草ば刈る」<草を刈る>これは、そのままですね、どこが南部弁かというと

   「〜ば」と言うところです。<〜を>と言う意味で使われています。No54参照

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