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南部弁講座

その2

  はじめに。
  このコーナーでは、基本的に「」で囲んだものを原語<>で囲んだものを
  翻訳語として扱っており、赤字は難しい言葉、(全部難しいのですが)
  青字は特に難しい言葉を表しています。

その2で紹介している南部弁
濁音 け、め  いぎやる  まだ ぐる
 にだくせ   ぎぁない  なす  ○○ッコ   いいちこ 


20 「いいちこ」津軽弁なのですが      2002/3/21

   焼酎にありますね、「下町のナポレオン」と言うキャッチフレーズの

   ” いいちこ ”

   津軽弁で「いいちこ」は美乳を指す言葉なのです。

   「な、いいちこしてらな」は、<お前いいオッパイしてるな>

   セクハラですね。

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19 「○○ッこ」                 2002/3/21

   南部の人間は、よく名詞の後ろに「ッこ」を付けます。

   「さげっこ」<お酒>  「ビールっこ」<ビール>

   「ばがっこ」<馬鹿>  「たばごっこ」<たばこ>等々、

   だいたい殆どの物に付けると言っても過言ではないでしょう。

   私も完全に調べたわけではないのですが、

   名詞の第二番目の字が ” か ” 行か ” た ”行の字であれば、

   それに濁点を付けて、最後に「ッこ」を付ければだいたい

   南部弁になるのではないかと思います。

   例えば<箱>は「はごっこ」 <旗>は「はだっこ」になるわけで

   「これをおべればがもなんぶじん」<これを覚えれば貴方も南部人>

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18 あの「なす」この「なす」         2002/3/21

   南部弁には「なす」という言葉があります。

   ひとつの「なす」は<産む>という意味で

   「べごあこっこなしたじゃ」<牛が子供を生んだよ>の「なす

   もうひとつは「あのなす」<あのねー>というように語尾に付く「なす」、

   こちらは一応敬語になっており「今日はいい天気だなす」<今日はよい天気ですね>

   これが友人や目下の者と話すときは「今日は天気いいじゃ」<今日は天気がいいな>

   あるいは「今日はいい天気だじゃ」<今日はよい天気だな>となります。

   そして、この「なす」は、<そうだ>という意味の「んだ」と組み合わせると

   「んだなす」<そうですね>になるわけです。

   ですから、お昼のフジテレビの番組でオープニングに”タモリ”に聞かれたら、

   返事は「んだなす

   「んだなす」<そうですね>

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  17 「ぁない」 「ゃない

    <寂しい>とか<つまらない>或いは<面白くない>と言うような意味で

    「」の発音が非常に難しいのです。

    <ぎ>でもなく「」でもないのです。

    要領は、奥歯をかみしめ、<い>と発音するように口を広げ、

    ”すー”と息を吐きながら「」と発音します、

     均と勝雄の会話

     勝雄「お、シト、飲みさいぐびゃ」<おい、均、飲みに行こうよ>

     均  「ん?いいども、んがど二人っこな?」<エッ、いいけど、お前と二人だけか?>

     勝雄「なしてよ、わどだば飲みたぐねってが?

        <なんだよ、俺とじゃ飲みに行くのがいやだというのか>

     均 「なんもよ、おどご二人だげだばぎあながべな”」

       <そうじゃない無いんだ、男二人だけじゃつまんないだろ?>

     勝雄「んでぇなぁ、んだら、めらはんどあいるどがして

       <そうだよな、そうしたら、女の子達はいるのかい?>

     均  「ミッコんどさ声かげでみるが?」 <ミツコ達に声をかけてみようか?>

     勝雄「わぁねぇ、ミッコ飲むんだらすぐごんぼほるすけよ

       <そいつは駄目だ、ミツコは酒を飲むとすぐくだをまくからさ>

     均  「んでも二人っこだばぎあねぇなあ”」<だけども、二人きりじゃつまんないな>

     勝雄「んでえなぁ」<そうだよなー>

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  16 「にだくせ」<似ている>

     ある酒のディスカウントショップで
     
     A「これえがあ、今テレビで宣伝してら発泡酒ずの

     <これかあ、今テレビで宣伝している発泡酒というのは>

     B「おう、キリンのラガーさにだくせやづな

     <ああ、キリンのラガーに似ている奴な>

     A「ほに、にだくせえな

     <本当に似ているなあ>

     B「んでえな、これだばじじだのばばんどあまじがるじゃ

     <そうだよな、これじゃあお爺さんやおばあさん達は間違えてしまうぞ>
     
     と言うわけで、本当に似ていますねー

     キリンがクレームを付けるのも判ります。

      味?

     はっきり言って私の好みじゃない。

     「にだくせ」前に「はんかくさい」の時に出てきましたね。

     通常「にだくせえ」と使います。

     これに類似した言葉として「うそくせえ」と言うのがありますが、

     こちらは<嘘みたい>と言う意味になります。

     前にも書いた通り臭いではないんです。

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  15 ぐるはぐるでも

     でましたね、シャクティパット。忘れかけていました。

     オウムの浅原は”グル”でライフスペースの彼は”ザ・グル”だそうです。

     しかし、この”グル”南部弁では良い言葉ではないのです。
     
     上手く標準語に訳せないのですが「野上ど鈴木あぐるだべ

     こう書くとニュアンスが伝わるでしょうか。

     2月11日のTVタックル見た方は判ると思います

     (フィクションの時代劇と橋本龍太郎の場面)、

     あれを「ぐる」と言うんですね。

     「んがどあよ」<オメー達はよ>という感じで笑ってしまいました。

     今風の言い方をすると”つるむ”という感じなのでしょうか。

     この「ぐる」ある一つの悪事に荷担している人たちのことを言うのであって

     「んがんどあみんなしてぐるになってわばはんつけにしてらんだべ

     <お前達はみんなで示し合わせて俺のことをのけ者にしているんだろう>

     この文章で「グル」は<示しあわせて>になるわけですが、

     「わんどあぐるになってボランティア活動ばやってらんで

    <私たちは示し合わせてボランティア活動を行っているのです>とは使いません

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  14 「まだ」と「まだ」、さらに「まだ

     第一の「まだ」<嘘?>又は<冗談だろう?>

      「田中大臣がくびさなったずぅ」<田中大臣がクビになったそうだ>

      「まだッ、ほんとにがよー」<嘘?!、ほんとかよー>

      と言うように、驚きを表す場合は最後に「」を付けます。

      アクセントはありません
      
      <冗談だろう?>の場合は、にやりと笑って「まぁだぁ〜」と延ばします。

      次の  「まだ」は「まだいぐがぁ」<また、行こうか>の

      「まだ」これは標準語である<また>がそのまま訛ったもので、

      <またかよー>は「だがよー」で、この中に入る「」は

      回数が多くなるほど大きくなります。
     
     例    「とちゃ、はらへったじゃあ」<父上、お腹がすきました>

           「かぁ、あんぱんけ」<はい、あんパンを食べなさい>

     数分後「とちゃ、はらへったじゃあ」<父上、お腹がすきました>

          「まだがよ、りんごけりんご、むいでやるすけ

         <またかよー、林檎を食べなさい、皮をむいてあげるから>

     さらに数分後「とちゃ、はらへったじゃあ」<父上、お腹がすきました>

         「まあだがよー、か、鶴子饅頭」<またかよー、ほら鶴子饅頭>

     さらに数分後「とちゃ、はらへったじゃあ」<父上、お腹がすきました>

          「だがよー」<またかよー>
      ままけままッ<ご飯食えご飯!!>

     そして最後の「まだ

     「きしゃあまだこね」<電車はまだ来ない>の”まだ”これは標準語なのです。

     我々も常に南部弁を使っているわけではなく、

     時々会話の中に標準語が混じっているのです

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  13 ビブレの前で

     「やっ○子でねが」<あっ○子じゃないか>

     「ありゃっ、にっちゃ」<あら、兄さん>

     「このさむっつら、こったどごでなにしてらど

     <この寒空、こんなところで何をしているんだい?>

     「今日、わの誕生日だへんで、とちゃあ、ばげままごっちょしてけるずがら、

     へば6時にこごでいぎやるべってやくそぐしたんだい

     <今日私の誕生日だからお父さんが夕食ご馳走してくれるからと言うので

     6時にここで待ち合わせの約束をしたの>

     「ジャッ、やらいだ、やっぱりしっぱこあいいなあ、みんなさめごがらいで

     <あっやられたー、やっぱり末っ子はいいなあ、みんなに可愛がられて>

     と言うわけで、今回は「いぎやる

     標準語に直すと<行き会う>になるわけで、本来の使い方は

     ”街角で○○さんと「いぎやる」”<行き会う>あるいは

     「東京さいったっきゃ○○といぎやってよ、びっくりしたじゃー

     <東京に行ったら○○と会ってさー、びっくりしました>というふうに、

     偶然に会う、と言う意味合いの使い方をするのですが、

     今回の例のように待ち合わせをするときにも使用します。

     「んだら”やぐら”でいぎやるべし」<じゃあ”やぐら”で待ち合わせしよう>

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12 日本一短い会話

  「な、どさ」「わ、ゆさ」(津軽弁)が有名ですが、実はもっと短い会話があるのです。

  「」「」です。

  「な、どさ」は全部で6文字ですが「」は全部で2文字しかないのです。

  「な、どさ」「わ、ゆさは<貴方はどこへ行かれるのですか?><私は銭湯へ行くところです>で

  「」「」は<お食べなさい><おいしい!!>となります。

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11 濁音の話

   東北地方の訛り全般に言えることだと思うのですが、<かきくけこたちつて>に

   濁点が付くことが多いということです。例えば「いぐが」<行くか>又は、

   <行こうか>という意味なのですが「いぐが」から濁点を取ると<いくか>に

   なってしまうわけで、これはもう標準語ですね。

   それでは濁っている言葉から濁点を取ってしまえばみんな標準語に

   なってしまうかというと、当たり前のことであるがそんなことはない。

   たしかに「いげ」<行け>「おぢる」<落ちる>等ありますが、

   「いがいがする」<ちくちくする>から濁点を取ってしまったら

   「いかいかする」になってしまい、”イカが何するんじゃい

   ということになってしまいそうです。

   ちなみに青森では<イカ>は「いが」です

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